月並みメモランダム

オタクの備忘録

【映画】『心が叫びたがってるんだ。』感想【ネタバレあり】

ご無沙汰してます。

心が叫びたがってるんだ。(以下ここさけ)を観てきたのでその感想を雑に書きます。ネタバレがあるのでこれから観る人は観た後にどうぞ。

ここさけはあの花スタッフが集結して作られるということで話題になっていました。深夜アニメなどを観る人であればよくCMを目にしていたと思います。私もあの花が好きだったので楽しみで、公開初日に観てきました。

私個人的な感想として、尺の都合かやや描写が不足している部分があったように感じたのは否めませんでしたが、全体として良くまとまっていたと思います。こういう青春群像劇が雰囲気含め好きなので、少し甘いのかもしれませんが。

まず何といっても順がかわいい。何やかんやでこれが感想の半分くらい占めているかもしれません。キャラの性質上、モノローグ以外はほぼ呻いているか叫んでいるか歌っているかみたいな感じでしたが、作画や水瀬いのりさんの演技が素晴らしくて非常に魅力的でした。前半はだいたい苦しんでいますが、中盤以降は表情が豊かになってて良かったですね。

あと良かったのはミュージカル部分ですね。ミュージカルに明るいわけではないのであまり適当なことは言えませんが、フィナーレ部分の「悲愴」と「Over The Rainbow」の組み合わせは鳥肌が立ちました。一見(一聴?)の価値ありだと思います。正直これがあるから円盤欲しいと思ってるくらいです。これが生まれるシーンも印象的でしたね。

メインテーマである、叫びたい本当の気持ち、という部分はそれなりに描かれていたと思います。順はミュージカルの脚本に叫びたいことを込める以外にも割と普通に叫んでましたね。順以外の3人に関しては心情描写がほどほどだったこともあり、やっぱり順が主人公なんだなと思いました。

最初、拓実は主人公ポジなのかなと思っていましたが、それほど心情の描写はされていなかったように思います。私にとってはむしろ何を考えているのか掴めないキャラという印象でした。順が最後拓実に対して、思わせぶりな態度取りやがって的なことをいうシーンがありましたが、まさにその通りだなと思いました。結局こいつ菜月が好きなんじゃねーかと思ってたので、このセリフで溜飲が下がりました。ついでに菜月がディスられてるのは笑いましたが。

大樹に関しては、最初はただのDQNでしたが、最終的にこういうキャラはいじられキャラになるという良い見本ですね。屋上で脚本の話をするシーンのツッコミが個人的に面白くてゲラゲラ笑ってました。好きなシーンの一つです。最終的には順に告白しに行きましたが、順を迎えにきたのはやはり王子ではなく玉子だったというわけですね。大樹は電車に乗らずに順と歩いて帰る等、端々で順のことを気にかけるシーンがあったのでなるほどなという感じでした。

女の子の悩みを解決するけどその子とはくっつかないという、王道を外してくるパターンは同じ岡田麿里脚本の「true tears」を思い出しました。外してくるのはいいのですが、今回その背景が少ししか描かれていなかったので引っかかりがあったのが正直なところです。私は映画を観た後にコミックス版を読んで補完しましたが、映画だけだとそもそも拓実と菜月が何故お互いを好きなのかが分からないので、上手く腑に落ちなかった人もいるのではないかと思います。菜月が謝ったことが拓実の心を動かすキッカケとして十分だったのかも知れませんが、「ここさけ」は劇中通して順の物語だったので、順が最後に振られるとしても、もう少し納得のいく描写が欲しかったですね。もっとも、順が好きを叫んだ時点で主題に関しては達成してるとも言えますが。

まとまりのない文章になってしまいましたが、個人的な雑感としてはこんな感じですね。文句も書きましたが、キャラクターの言動に適度なリアルさがあって、色々考えることができるいい作品だと思います。

余談ですが昨日は秩父にここさけとあの花の聖地巡礼に行ってきました。ここさけ公開から間もないこともあって結構賑わっていた印象でした。スタンプラリーなんかもやっているので、時間がある方は是非行ってみると良いと思います。

image3.jpgimage4.jpg