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少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 Transition 感想

こんにちは、ぷらけーです。

 少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#2 Transitionの観劇に行ってきましたので、その感想を書き留めておこうと思います。公演内容のネタバレがありますので、再演待ち、ないしは円盤待ちの方はお引き返しください。
 再演は先だろうからキャラとストーリーだけ押さえとくか、的な方もいるかもしれないので、あらすじもある程度書いています。

前語り

 少女☆歌劇 レヴュースタァライト二層展開式少女歌劇と称され、アニメとミュージカルが連動して展開されていくコンテンツです。TVアニメシリーズが9月に最終回を迎え、それに続く舞台公演-The LIVE-#2 Transitionが10月13日から10月21日の間で開催されました。私はTVアニメシリーズを後追いで見始めた身なのですが、すっかり沼に浸かり、今回の観劇に至りました。
 舞台も観に行きたい!と思ったときには既に一般販売が始まっていたタイミングでしたが、運良くチケットを確保することができました。せっかくなので舞台#1のBDも購入し、一度観た上で臨みました。(この時点でまひる役の岩田陽葵さんにスタァライトされました。)

 今回の公演は天王洲アイルにある天王洲 銀河劇場(名前がカッコよすぎる)で開催されました。キャパは746人の3Fまである劇場で、私は1FI列(9列目)の中央ブロックだったのですが、舞台まで15mくらいでかなり近くて紛れも無い良席だったのでツイてましたね。キャパ的には一般的な市民ホールの中ホールくらいかと思いますが、劇場独特の雰囲気がありました。


本編感想

第100回聖翔祭 スタァライト

 TVアニメ後、第100回聖翔祭のスタァライトの星摘みの歌から舞台は始まりました。主役は華恋とひかりで、アニメからの繋がりを感じられて良かったですね。聖翔祭の後の日常の風景では、客席の脇の通路を通ってB組のメンバーが登場することで劇場をいっぱいに使い、加えて客席の自分たちがB組「舞台創造科」であることを感じることができるような演出もあって嬉しかったですね。

青嵐総合芸術院

この勝負に勝ったら…

 聖翔祭の後には青嵐総合芸術院という芸術学校との交流プログラムが計画されていて、この交流プログラムが今回の舞台となりました。青嵐の生徒小春氷雨(すず)の3人およびそれを率いる八雲先生は、第100回聖翔祭のスタァライトを観劇して感銘を受け、「良いものは奪え」という八雲先生の号令の下、交流プログラムを利用してスタァライトを賭けた勝負を仕掛けます。「この勝負に勝ったら、二度とスタァライトを演じないでください」という小春の言葉が強烈でした。

 そんなめちゃくちゃな、という話ですが、シェイクスピアの言葉を織り交ぜて九九組を説き伏せた聖翔の教師にしてレジェンドOG、走駝先生には有無を言わせぬ説得力がありました。

「運命とは、最もふさわしい場所へと、貴方の魂を運ぶのだ。」
ウィリアム・シェイクスピア

 いや、あんた味方じゃないのか、という感じですが、実は舞台では走駝先生がキリンの代弁者となり、舞台少女たちにキラメキを奪い合わせます。(キリンは声だけの出演。)

九九組を圧倒する青嵐

 青嵐メンバーは舞台で活躍されている方々が演じられていたようで、声量やアクションが凄まじかったですね。劇中で九九組が圧倒されるシーンがありましたが、そうなるのも納得せざるを得ないような迫力でした。極めつけは八雲先生。中盤以降に殺陣のシーンがあるのですが、圧倒的な身体能力を活かしたアクロバティックな殺陣は、絶望感すらありましたね。殺陣を含め、舞台上で同時多発的に動きがあることも多く、見たい方向が多すぎて完全に目が足りないことを悟った私は、まひる役の岩田陽葵さんを追いかけてました。(一つの正解だと思いました)

「夏空」のレヴュー

 聖翔vs青嵐のレヴューとして「夏空」「春雷」「初雪」「陽炎」にそれぞれメンバーが割り振られての対決になりました。その中でも私は「夏空」のレヴューがとても印象に残っています。

未来で繋がる者 ひかり

 「夏空」のレヴューに割り振られたのはまひる、ひかり、そして青嵐の涼。同じ中学出身でそれぞれバトン部とチア部でエース同士だったまひると涼、過去の因縁を持つ2人を中心にレヴューは進んでいきます。
 私を忘れるなと言わんばかりに飛び込んでくるひかりでしたが、お前は誰だ、邪魔をするなと一蹴する涼。そう、これはただの戦いではなくレヴュー。夏空の下、過去の世界に入り込んだ2人からすると、ひかりは完全に部外者で入る余地が無いんですね。しかし、彼女は神楽ひかり。「私はまひると未来で繋がる者」と言い放ち、自分の立ち位置を確立させて見事に乱入に成功します。このシーンは役者、神楽ひかりの機転とスキルの高さが表現されていて素晴らしかったですね。まひるを背にして涼と対面するひかりは最高でした(ひかまひをすこれ)

まひるへの憧れ

 お調子者の印象を与える涼でしたが、言動によらず勝負に徹するクレバーな一面もあり、レヴューとしては涼の勝利となりました。もっとも、まひるに憧れを抱いていて一緒に舞台に並び立ちたい、という気持ちに嘘偽りが無いことはのちに判りますが。
 まひるに関しては、この時点では、過去の負い目を清算するために涼を受け容れたように写ってしまいましたが、舞台が進むにつれて自身への憧れを語る涼と向き合い、その誠意を受け止めていく過程は印象的でした。甘いといえばそうなのかもしれませんが、これもまた彼女の美点であり、まひるまひる足らしめている要素であると感じました。(すずまひもすこれ)

「春雷」「初雪」「陽炎」のレヴュー

 この3つのレヴューについては「夏空」ほどの粒度で書ける自信がありませんが、いずれもアニメの流れを汲みつつ、上手く青嵐メンバーを絡めてきた印象です。
 「春雷」では真矢とクロが組んで青嵐の小春と対峙しますが、真矢が不可解な敗北を喫しています。これには理由があって、のちに明らかになります。一言でいうと変則的な真矢クロですね。
 「初雪」ではまひると同じように、ここではななが氷雨との因縁の対決となりました。過去を断ち切り、未来へと向かうななの決意が現れていてカッコよかったですね。
 「陽炎」では青嵐へ勧誘され感情が揺れ動く双葉と、それを止める香子という構図がアニメとは逆になっていて、アニメ6話が好きな自分としては非常に胸が熱かったですね。

「群青」のレヴュー

 先の4つのレヴューを受け、「群青」のレヴューが開演しました。この「群青」のレヴュー曲は未だ制服姿の華恋を除く11人の舞台少女たちが一斉に歌い出すのですが、このハーモニーが非常に美しく、印象的なフレーズもあり、劇中で最も記憶に残るレヴュー曲になりました。「群青」のレヴューでは先のレヴューで青嵐に歩み寄ったまひるや真矢が青嵐側に割り振られる形となっていて、困惑しながらも受け止める者、反発する者、その本心がさらけ出されているようでした。
 青は若さの象徴として未熟という言葉と共に語られることが多いですが、何物にもなることができる可能性も併せ持っていて、それを如実に感じ取ることが出来るようなバイタリティに溢れるレヴューで震えました。

アタシ 再生産

 キラめきは奪い合うものじゃない、と奮起する愛城華恋。再生産バンクが流れ、制服姿だった彼女はレヴュー衣装を身に纏い、舞台奥から現れます。アニメでも好きなシーンではありますが、実際にミュージカルの流れの中で観ると一層熱くなりますね。生で聴く「スタァライトしちゃいます!」は最高でした。この時点で聖翔vs青嵐という構図は崩れ、最終レヴューへと繋がります。

「虹色」のレヴュー

Love judgement

 華恋も遂に参戦し、聖翔と青嵐の舞台少女が揃い踏みました。99 ILLUSION!が流れ出し、舞台少女たちvs八雲先生率いるコロス軍という構図で「虹色」のレヴューがスタートしました。ここでも私の目は岩田陽葵さんを追っていたのですが、途中でコロスの武器を奪ってまひる*1との二刀流をやりながら階段を駆け下りていく様は圧巻でしたね。実際、まひる役の岩田さんは10年くらいバトンをされていたそうで、最初に殺陣のシーンを見た時にまひる棒の捌き方が鮮やかすぎて何か仕掛け付きのバトンかと思ったくらいです。

星見純那の殺陣

 星見純那が武器として携える弓矢は舞台だと流石に矢を放つことができないので、アニメとの視覚的なギャップが一番大きいと思うのですが、見せ場がしっかりと用意されていて存在感があったことが非常に良かったですね。むしろ一番美味しいところを持っていったまでありますね。特に、天に放った矢が星のように降り注いでコロスを一網打尽にする演出は見事で鳥肌が立ちました。(テイルズのアストラルレインみたいな感じ。)

This is ...

 ファンの間では半ばネタ的に使われることも多い「This is 天堂真矢」ですが、私含めやはりみんな大好きなんですよね。実際待望論はあったと思います。コロスを薙ぎ払いながらステージの中央に到達した富田麻帆さんが言い放つ「This is 天堂真矢!」は最高で、スクリーンには上掛けをなびかせる真矢様のシルエット。是非もない格好良さで釘付けになりました。

クライマックスは美しい

 曲も終わりに近づきますが、未だ強さの底が見えない八雲先生。しかし、華恋たちとの連携の末にひかりが一太刀を入れ、八雲先生が体勢を崩して階段に手を付いてしまいます、この瞬間に舞台少女たちが一斉に各々の武器の切っ先を中央の八雲先生を囲むように突き付けます。これが一枚の画として非常に美しくて、未だに脳裏に焼き付いています。ちょうど99 ILLUSION!のアウトロのテーテーテーテー!にバッチリハマっていてとても気持ちのいい演出でした。(分かってくれ)

姿はまるで「青」 塗り替えるため

 99 ILLUSION!には上のような歌詞があります。観劇の後に改めて聴いていると、この曲の奥深さを少し知ることができた気がしました。ここでいう「青」とは「群青」の「青」のことなのかなと感じています。自身が持つそれぞれの「青」を自分の色に塗り替えていくため、少女たちは苦しんで、涙して、笑うのでしょう。タイトルは「虹色」、無限の可能性を秘めていることが分かりますね。99 ILLUSION!はこの#2 Transitionのクライマックスという文脈で流れてこそ、最高に映える楽曲なのだと気付き、一層好きになりました。

あと語り

 休憩を挟んで開演した2部のライブパートも、この舞台でしか見ることのできない組み合わせなどもあり、最高でした。今回の公演に行って良かったと心から思っています。

 レヴュースタァライトについて、自分はブシロード製品をそれなりに買ってる人なので企画当初から知ってはいたのですが、ミュージカルはそんなに興味無いし、みもりんには釣られんぞ、みたいなことを思ってました。しかし、実際に触れてみて、良いものは良いと言うほかなく、もっと早く押さえておくべきだったと思うほどでした。来週からまたアニメ無料配信期間が始まりますし、アニメ見ずにこの記事のここまで読む方がいるかどうかは怪しいところですが、もし興味を持った方がいれば是非見てみてください、オススメです。

 あと、レヴュースタァライトに触れるきっかけをくれた友人の怪文書メーカー店員2号くんに感謝。(以下は彼の記事)
handerous.hatenablog.com

 次の舞台も楽しみですし、うっかりBD-BOXにも手を出してしまったので、12月の2ndスタァライブも是非チケットを取って行ってみたいですね。あと青嵐メンバー良すぎるのでまた出てきて欲しいです、というかアニメの続編あったらアニメキャラクターとしても出てきて欲しいですね。

*1:まひるの武器であるメイスの俗称。正式名称はLove judgement。